「最後の歯車式計算機クルタ」再版のお知らせ

クルト・ヘルツシュタルク氏へのインタビュー本について、再販することになりました。次の日程で販売予定です。
1 コミックシティ福岡30
日時:2012年9月16日
会場:Yahoo! JAPANドーム(福岡)
ブース:F66a(発笑探検隊での委託販売)
こちらはかなり少部数(数部程度)の販売となります。また、私が多少お手伝いしたクルタ計算機のマニュアルの翻訳も、同時に販売されるはずです。
2 第十五回文学フリマ
日時:2012年11月18日
会場:東京流通センター 第二展示場
ブース:???(ぴっちぶれんどとしての参加予定)
こちらへは、多分売り切れない程度の部数を持って行く予定です。ただし落選した場合は委託先等が無いので、立ち消えです。 ←結局抽選無しでした。
文学フリマで売れ残った分は……どうしましょうか。冬コミは参加しないつもりなので委託か来年の夏コミで頒布するか、あるいはそれ以外の何らかの方法でお届けできるようにしたいと考えています。
ここで、もう一度どのような本なのかを説明しようかと思います。


かつてクルタ計算機という小型の機械式計算機が使われていて、これは1972年には生産停止になりその開発者クルト・ヘルツシュタルク氏も1988年に亡くなっているのですが、亡くなる前年の1987年にインタビュー収録が行われました。その時のテキスト・音声は、著作権保有者であるミネソタ大学チャールズ・バベッジ財団によって、Webで公開されています。それを許可を得て翻訳したのが本書です。
インタビューは2日間に及び、祖父の代の話から始まり自身の幼少期の話、計算機会社の跡取りとしての修行、ナチス収容所への投獄、収容所での計算機設計、リヒテンシュタイン公国での計算機生産、そして電卓の登場による機械式計算機の衰退まで、波瀾万丈の人生が余すところなく語られています。またナチス収容所や当時の東ヨーロッパの事情について、第一級の資料として価値があるドキュメントだと思います。
翻訳には足かけ4年をかけました。もっとも毎日翻訳していたわけではなく、一年間サボっていた時期もあったのですが、他の資料と付き合わせながら少しずつ慎重に進めていました。
当初は『ご冗談でしょう、ファインマンさん』のような調子での翻訳を目指していました。この大貫昌子氏による訳は、個人的にあらゆる翻訳物の中でも最高傑作だと思っています。実際にこの本は、日本語版の売れ行きが他国のものに比べると飛び抜けて良いようです。ですがファインマン氏のように一人称が「僕」でフランクな口調で訳してしまうと、87歳のヘルツシュタルク氏が語っていることと合わない気がし、また後半を読めばわかりますが彼は少々気むずかしいタイプでもあるようで、それにも違和感を感じてしまいます。そのため、少しだけ偉そうな社長風の雰囲気を出して翻訳してみました。
ともかくそのようにして生まれたのが本書です。ぜひお立ち寄りください。