今回はこの記事について調べてみました。
http://news.infoseek.co.jp/article/01fujizak20120901011
巨人・阿部慎之助捕手(33)の放った打球が真夏の“超常現象”を引き起こし話題となっている。
問題の打球は8月26日の横浜DeNA戦(横浜)の6回、阿部が左腕・篠原貴行投手(35)から放った19号2ラン。高い弧を描いて下降をはじめ、中飛かと思われた次の瞬間、突然空中でバウンドするような軌道でバックスクリーンに飛び込んだのだ。
(中略)
「鳥か虫に当たったんじゃないか」「鳥なら映像に映るはず。虫であれほどの変化はしないだろ」「飛行中の透明のUFO(未確認飛行物体)に当たって跳ね返ったのに違いない」など、喧々諤々の議論が続く。
(後略)
動画はこちら。
巨人阿部選手のホームランボールはどこへ?
本当に曲がっているのか、目の錯覚なのか。興味深いところです。
ともかく座標を調べてみましょう。軌道が変化した前後で、基準点(ポールの最上部としました。)に対するボールの相対位置をグラフに描いてみました。どうでしょう。
おおっ!曲がってる。このグラフで(30,125)付近、明らかに曲がってますね。グラフでは僅かな変化に見えますが、ボールの角度がこれだけ急に変わるというのは、不思議な話です。
しかしこの映像、わかりにくいのですが前半はズームを引いていってるんですね。そこで、基準点と東横インの看板左上との距離をグラフに描くとこうなります。これはズーム率(に定数を掛けたもの)を表します。
そしてこのグラフで10コマ目、ちょうどズームが止まった辺りでボールの軌道が変化しています。
では先ほどの相対位置のグラフについて、ズームを考慮した軌跡を重ねてみます。1枚目のコマに対してズームがp倍だったら、相対位置もx,y座標ともにp倍するわけです。それがこうなります。
この赤のライン……特に不思議な曲線ではないですよね?念のため、二次の回帰曲線を重ねてみましょう。
これで答えが出たと思います。曲がっているように見える原因は、ズームだったわけです。夜の球場で視覚的情報量が少ないことからズームに気づきにくく、そのためボールが曲がったように見えたというのが私の結論です。
※今回の分析で使ったエクセルのファイルをこちらに置きました。自由にお使い下さい。
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